Vision
コンピュータサイエンスは、 そもそもは “Cybernetics” のような用語に象徴されるように、 「もの」と「もの」との関係性、すなわち「インタラクション」の 本質を探求する研究領域として出発しました。 「インタラクション」の概念は、人とコンピュータの関係(狭義のユーザ・インタフェース、あるいはHCI)に留まらず、 人と現実世界、あるいは現実世界とコンピュータ/ネットワーク世界との インタラクションとして敷衍して考えることができます。そこでは情報のみならず 物理的なリソース、環境、あるいはエネルギーなどとのインタラクションを考える必要が あるでしょう。このような発想に基づき、あるべき human-computer-realworld系(システム)の姿を想定し、それを具現化していく活動を行っています。
Research Topics
(具体的なプロジェクトは Projectsに掲載されています)
実世界指向インタフェース
現実世界で生活する人間に対する自然なインタラクション手段を提供します。たとえばSmartSkinと呼ぶシステムはテーブル内に組み込まれた電界センサーによって人間の微妙な手の動きを認識します。このようなセンシング技術とインタラクションの融合により、生活環境の多様な場面がデジタル世界と自然に融合していきます。
センソノミー
単一のセンサーから得られる情報の価値は限られていますが、それを地球的規模で収斂させていくと新たな意味が生まれます。これをソーシャルタギングやフォークソノミーになぞらえて「センソノミー(Sensonomy)」と呼んでいます。たとえば各モバイル機器がセンスするWiFi電波状況を収集すると、WiFiから位置情報を求めるためのインフラが構築可能になります。センソノミーのためにスケーラビリティのあるネットワークアーキテクチャーなどもテーマとなります。
ライフロングコンピューティング
人間と行動を共にしてすべてを記録するライフログや、その解析・応用などがテーマです。ライフタグ(LifeTag)と呼ぶ超小型位置記録デバイスを試作し、長期間にわたる精密な位置行動履歴の取得を可能にしました。これにより、行動パターンを手がかりにする、ある種の「記憶検索エンジン」が構築可能となり、「記憶能力のテクノロジーによるサポート」につながるものだと考えています。また、記憶に対する新しいインタフェース、ビジュアリゼーション、人間の記憶がネットワーク化して他者とつながっていくなど、従来の「記憶」の概念を超えた展開を想定しています。
研究を進めるにあたって
以上のようなテーマは、多岐にわたる基盤技術の上に成り立っています。主にコンピュータサイエンス・ネットワーク・センシング・データマイニングなどの知見を使いますが、何より大事なのは「未来をイメージする力」でしょう。こんなことが可能になったら世界はどう変化するのだろうか。どんな便利な世の中ができるのか。自分は何が欲しいのだろうか。を大胆にイメージし、それをテクノロジーで具現化していく。必要な知識や技術は目的ドリブンで、どんどん学んでいくという態度が重要なのではないかと思います。
大学院志望のみなさんへ
暦本研は2007年に発足したばかりのピカピカな研究室です。「未来を自ら創り体験する」、をモットーに、国内外のヒューマンインタフェース関連の研究機関・デザイン拠点などとのコラボレーションも進める予定です。チャレンジングな研究を皆さんと一緒に進めていきたいと考えています。