PossessedHand: 電気刺激によるヒトの手を制御する技術

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玉城 絵美, 暦本 純一

もし、コンピュータがヒトの手を制御できたら、、、。

PossessedHandは、使用者に手の動き(ハンドジェスチャー)で情報提示する装置です。

腕に巻いた2枚のベルトから前腕の筋肉に電気刺激を与え、手指の動きを制御します。

前腕の筋肉は手指の腱につながっており、その筋肉を収縮することにより、
手指を動作させることができます。

1枚のベルトには14個、装置全体では28個の電極パッドが設置されています。刺激に使用する電極パッドの位置と電気刺激の大きさによって前腕の筋肉を局所的に刺激します。

手指の制御に用いる電極パッドの位置と刺激の大きさは、個人差やベルトの装着位置や湿度によって変化します。

PossessedHandは、刺激に使用する電極パッドの位置と電気刺激の大きさについての
全てのパターンの刺激を与え、どの刺激がどの手の動きに関連しているのか
学習する機能を備えています。

この機能により、専門的な知識なしに誰の手でも制御することが可能となったのです。

被験者実験では、 手指の16関節をPossessedHandで動作できることが確認されています。

動画:A Video of this project on New Scientisthttp://t.co/K7fcKM0


各指をPossessedHandで動作させた様子。

現在は、琴の演奏を支援するアプリケーションが提案されています。

PossessedHandが演奏時にどの指をどのタイミングで使うのかの情報を提示してくれます。

今後は、制御精度の向上はもとより、PossessedHandによる道案内システムや
ARのための触覚提示システムなどのアプリケーションの研究を行う予定です。

発表(さらに詳細な研究成果はこの論文に記載されています)

  • PossessedHand: A Hand Gesture Manipulation System using Electrical Stimuli, Emi Tamaki, Miyaki Takashi and Jun Rekimoto, Augmented Human, 2010[PDF].
  • PossessedHand: 電気刺激を用いた人体手形状の直接制御システム, 玉城絵美, 味八木崇, 暦本純一, インタラクション2010論文集, 情報処理学会シンポジウムシリーズVol. 2010, No. 4, pp.231-234, 2010.[PDF]
  • PossessedHand: Techniques for controlling human hands using electrical muscles stimuli,
    Emi Tamaki, Takashi Miyaki, Jun Rekimoto, CHI2011, paper, ACM[PDF 25.8MB].
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